熊本におけるTSMC進出の影響(2023)
はじめに
2021年11月にTSMC(台湾積体電路製造)の工場進出が決定し、一般的に₅年かかるとされた工場建設は、従来にないスピード感で様々な資源が投下され約₂年で完成した。2024年末の稼働に向けて製造装置の搬入や人員の採用と教育などが進むとともに、熊本の社会経済における課題も明確になり、産官学が連携しその対応に取組んでいる。
九州全域でも半導体関連産業の新たな工場投資などが進み、新生シリコンアイランド九州実現に向けての様々な動きがみられるなか、さらに第二工場の熊本への進出が表明され、今後の成長には熊本の課題解決への対応能力がますます求められてくる。本稿では、TSMCの熊本への進出表明以降、熊本県内を中心とした社会経済の変化や課題への対応について振り返っていく。
目次
- TSMC工場の進出決定からこれまで
- 進出に伴う課題と対応
- 半導体関連産業集積の状況
- 成長に向けて
- 人材育成、確保
- 経済波及効果
レポート一部
1.TSMC工場の進出決定からこれまで
- TSMC熊本進出の公表以降事業は計画通りに進捗しており、2024年12月には生産が開始される予定。