物価高の影響はあるものの、一部に消費マインド改善の兆し 第50回熊本の消費予報調査
はじめに
当研究所では、毎年5月と11月に熊本県内在住の女性を対象として、今後半年間における「収入」「支出」等の調査を行ってきた。本稿では本年11月に実施した調査結果を基に、県民の消費マインドの見通しを明らかにする。なお、県内における消費の全体像を掴むべく、今回からは調査対象に男性を追加している。
本調査では、収入見通し、支出見通しのいずれも前回調査から大幅に上昇する結果となった(図表1)。収入見通しについては、過去十数年で最も高くなっており、賃上げや最低賃金上昇の影響が表れたものと考えられる。
また、支出見通しについては、物価高騰による支出の増加という受動的な側面があるものの、ファッションや装飾品、理美容などへの能動的な支出に対するマインド改善も上昇に影響していると言えそうだ。
目次
- 収入および支出の見通し
- 具体的な項目ごとの支出の見通し
レポート一部
1.収入見通し
- 今後半年間の収入見通しは、▲3.8と前回(▲15.0)から+11.2ポイント(以下、p)改善した(図表₂)。
- 年代別では、20代が8.9と前回(▲8.7)から+17.6p、40代が2.7と前回(▲6.7)から+8.0pでプラス域となっている。また、依然としてマイナス域ではあるものの、30代と60代以上でも大幅に改善している。
- 時給や基本給の増加といった自由コメントがみられ、今春の賃上げや10月の最低賃金改定の影響と思われる。
調査概要
調査対象:熊本県在住の20歳以上の男女
※20代男性の不足分は、年代の近い30~40代にて補完。
調査期間:2023年11月 2 日(木)~11月 7 日(火)
調査方法:調査会社登録モニターへのネット調査 (調査会社:㈱マクロミル)
有効回答:1,040人