デジタルとアナログの融合 ~県内企業の事例から学ぶこれからのマーケティング~
はじめに
2020年以降、企業のデジタル化が急速に進んでいる。県内においても、デジタル化の最終的な目標であるビジネスモデルの変革を意識している企業もあれば、まだアナログから抜け出せていない企業もある。デジタル化が進むにつれて、データに基づいた営業活動や顧客アプローチを取り入れる企業も増加しており、その取組状況によって競争力にも差が生じていると考えられる。アフターコロナにおいては、オンライン上での付加価値創出や顧客ごとのニーズに沿った提案など、デジタルを活用したマーケティング活動が重要になっている。本稿では、県内企業2社の取組みを取り上げ、その中でも特にデジタルとアナログのそれぞれの強みを活用したマーケティングの在り方について考察した。
目次
- 県内企業のデジタル化への関心の高まりと取組状況
- 県内企業の取組事例
- デジタル化が進むマーケティング
- これからのマーケティングで大切なこと
レポート一部
1.県内企業のデジタル化への関心の高まりと取組状況
- 熊本は全国と比べてデジタル化の導入状況に遅れがみられる。
- 「オンライン会議」「クラウドの利用」など比較的取組みやすい分野では、導入が進ん だが、デジタルを使ったマーケティングやビジネスモデルの変革までは至っていない。
(1) デジタル化の取組段階
デジタル化はその取組みを大まかに3段階に分けて、「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」「デジタルトランスフォーメーション」と呼称されている。右図の通り、デジタイゼーションはアナログデータをデジタルデータ化するなどの取組み、デジタライゼーションは業務・製造プロセスのデジタル化、そしてデジタル技術を使って事業やビジネスモデルを変革することをデジタルトランスフォーメーション(DX)としている(図表1)。