人流回復をマネタイズの契機に ~県内在住の女性に聞いた中心市街地の利用状況~

はじめに

 2017年以降、COCOSA、サクラマチクマモト(以下、サクラマチ)、アミュプラザくまもと(以下、アミュプラザ)、HAB@が新たに誕生し、熊本市の中心市街地の街並みは大きく変化した。コロナ禍で激減した人流は回復傾向にあり、特に熊本駅周辺では、アミュプラザのオープン後、大幅に増加していることが見てとれる(図表1)。その一方で、熊本県在住者の中心市街地の利用頻度はあまり高くなく、人流の回復にはまだ伸びしろがあることが明らかとなった。本稿では、熊本県内在住の女性520名を対象にした調査結果をもとに、中心市街地の利用状況について分析を行った。

※本稿では、「熊本市中心市街地活性化基本計画」に準じて、下図における4地区を合わせた地域を「中心市街地」、通町筋・桜町周辺地区を「中心部」と表記している。また、上通りや下通りなども含めて「商業施設等」とする。

目次

  1. 中心市街地の商業施設等の利用状況
  2. 利用目的別の状況

レポート一部

1.中心市街地の商業施設等の利用状況

  • 中心市街地の商業施設等を年間に複数回利用する割合は、回答者全体で5割程度。熊本市在住者に限っても6割程度となっている。

 回答者全体の状況をみると、各施設少なくとも半年に1回程度以上利用している割合(「月に1回以上」~「半年に1回程度」の合計、以下複数回利用)は高い順に、「下通り(52.3%)」、「アミュプラザ(50.8%)」、「上通り(49.0%)」、「鶴屋(47.3%)」、「サクラマチ(46.3%)」とおよそ5割程度となっている(図表2)。
 また、熊本市内在住者のみに限定しても、複数回利用は「下通り(66.5%)」、「上通り(62.9%)」、「アミュプラザ(61.9%)」、「鶴屋(60.0%)」、「サクラマチ(57.4%)」と6割程度となっている。
利用頻度が低位に留まった4~5割の回答者(「1年に1回以下」)は、中心市街地の人流を増やす伸びしろと捉えることができるのではないだろうか。

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