物価高の影響強く、消費マインドは盛り上がらず ~第52回熊本の消費予報調査ー2024年11月調査ー~
はじめに
当研究所では、毎年 5 月と11月に熊本県内在住者を対象として、今後半年間における「収入」「支出」等の調査を行っている。本稿では本年11月に実施した調査結果を基に、県民の消費マインドの見通しを明らかにする。
今回調査では、収入見通しについては、賃上げや最低賃金上昇の影響もあり高水準となったが、物価上昇には追いついていないとみられる(図表 1 )。また、支出見通しについてはDIが大きくプラス域へと振れたが、物価高騰による受動的な支出増加が大半を占め、消費マインドが改善しているとは言えないようだ。
目次
- 収入および支出の見通し
- 具体的な項目ごとの支出の見通し
レポート一部
- 収入および支出の見通し
(1) 収入見通し
・ 今後半年間の収入見通しは、▲0.8と前回(1.3)から▲2.1ポイント(以下、p)となった(図表2)。
・年代別では、全年代において悪化したものの、20代(7.4)、30代(11.3)がプラス域、50代(▲5.8)、60代以上(▲16.3)がマイナス域となり、世代で対照的な結果となった。
・「増えそう」の理由としては主に20代、30代の比較的若年層で、賃金上昇や副業等の働き方の変化に対するコメントがみられた。「減りそう」の理由としては、幅広い年代が物価高に言及しており、収入増加が追いついていない状況が浮き彫りとなった。
調査概要
調査対象:熊本県在住の20歳以上の男女 ※20代男性の不足分は、年代の近い30~40代にて補完。
調査期間:2024年11月 1 日(金)~11月 5 日(火)
調査方法:調査会社登録モニターへのネット調査 (調査会社:㈱マクロミル)
有効回答:1,039人