第128回熊本県内企業業況判断調査(DI)-2023年8月調査-

はじめに

 当研究所では、四半期に一度、熊本県内企業を対象として、業況感や売上、人手不足の状況等に関する調査を行っている。
 本稿では2023年8月に実施した調査結果の内容をまとめた。

目次

今期の業況判断
先行きの業況判断

  1. 調査項目ごとの状況
    (1)売上・利益
    (2)仕入価格・販売価格
    (3)設備・労働力
    (4)在庫・資金繰り
  2. 資料編

レポート一部

今期の業況判断の結果

 今回(2023年7~9月期)の業況DIは▲3(前回比+2ポイント、以下p)とコロナ禍前(2019年7~9月期)を上回った(図表1)。前回調査に引き続き、人流の回復や経済活動の正常化に伴う、売上の増加が業況判断改善の要因と考えられる。
 業種別に見ると4業種で改善、5業種で悪化と業況判断が分かれている。改善幅が最も大きかった業種は、小売業で前回比+16pとなった。特に、観光関連の企業で、アフターコロナにおける人流や消費の回復が売上増加につながっているとの声が聞かれた。
 一方で、コスト上昇による収益の悪化や人手不足が深刻になっている。前回調査で上昇していた利益DIは▲24(同-11p)と低下し、一進一退の状況がうかがえる。自由回答では、価格転嫁が一部にとどまっていることや人件費の上昇により「売上が増加しても利益の確保に至らない」との声が聞かれた。また、労働力DIは▲47(同-2p)と低水準で推移しており、人手不足解消の兆しは見られない。自由回答では、人手不足により需要の回復に対応できない様子がうかがえる。

調査概要

対象企業:県内主要企業 536社
調査期間:2023年8月1日~8月18日
回答企業:214社

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