2025年度熊本県経済見通し
はじめに
2025年度の県内経済成長率について、TSMC進出に伴う半導体関連企業の高水準の設備投資や住宅投資、公共投資、消費動向等を当研究所独自の計量モデルに織り込んで推計した。
目次
1.2025年度の展望
2.2025年度の熊本県経済
3 .項目別の見通し
レポート一部
- 2025年度の名目県内総生産額は、過去最高額となる 6 兆9,750億円、同成長率は前年度比+2.9%。物価変動の影響を控除した実質成長率は+1.3%の成長を見込む。
- 引き続き、半導体関連企業の集積を中心とした設備投資が経済成長を主導。
1.2025年度の展望
JASMの第1工場が初めての通年生産となり、第2工場も着工、半導体関連企業の集積や設備投
資が引き続き伸展する。産業集積に伴い、雇用者増に対応する住宅整備や宅地開発が進み、道路網等のインフラ整備も加速する。物価上昇による消費マインドへの影響が懸念材料としてあるものの、「新生シリコンアイランド九州」の実現に向けた取組みが強力な追い風となり、県内景気はさらなる活況が見込まれる。
【2025年度の経済を取り巻く主要な要素】
・JASMのサプライチェーンを軸とした半導体関連産業の集積
・中九州横断道路をはじめとする道路網整備による物流の効率化、人流の円滑化
・脱炭素・DXに向けた設備投資の進展
・人手不足や、物価上昇に対応する賃上げの継続
・国際定期便の増便による人流増加、インバウンドの増加
・災害復旧・復興工事の継続
このような中、2025年度の熊本県の経済成長率の予測を行った。
<予測方法について>
国や熊本県の諸データや国内の経済動向見通しを基に、当研究所作成の計量計算モデルを用いて2022
年度から2025年度の県内総生産額及び、増減率を推計している。